田越の思想
日本の風土には、木の家を
―日本の風土に合致した木の家を、次世代に受け継ぐ技術と思想を―
日本の風土には、木の家が似合う
木は、日本人が最も身近で慣れ親しんできた素材。木には衝撃を受け止め、触れていても疲れをやわらげる、温湿度を調整する、自律神経の活動を高め、落ち着きをもたらせ、目にもやさしい…といった効果があり、化学物質で固められたフローリングやビニールクロスにはない、健康的な効用がたくさんあります。
また、木には1本あたり5トンもの炭素固定効果もあり、その木を家づくりに使用することは、森を町に造ることにほかなりません。さらに、木は伐ったあとも呼吸を続け、CO2の削減にも効果を発揮。廃棄時にも土に還るなど、まさに人にも自然にも負荷をかけない理想の素材といえるわけです。
人間も自然の一部として考えれば、木の家に住むことこそ、自然の営みそのものということもできます。
工業化住宅ではできない木組み
私たち日本人の祖先は、選びに選び抜いた木を使い、伝統構法といわれる木組み架構で木の家を造ってきました。それは梁が荷重を支える適切な距離でバランスよく柱を建て、梁でそれを繋ぎ、あるいは梁を噛み合わせてのせる構法です。
こうして造られた空間は、引き戸などで仕切って部屋として使用され、使用の変化に対しても柔軟に対応できます。露わになった木組みは蒸れて腐れることがなく、そこに耐えざる人の手によって長年の寿命を保ってきたのです。 つまり、日本の家とは、骨組み架構をあらわすことで、美しい空間にまでそれを高め、その空間に適応して暮らすことで、気配で人を察し、互いに人を思いやる独自の住文化を育んできたともいえるわけです。
しかし、家づくりの近代化は、合理的な工業化された家も生み出してきました。どの構法も十分な強度を確保していることは確かですが、高温多湿の気候風土に負けて短命な家が普及し、手入れのしやすさ、使い方の変化に対応できる家もまた少なくなっていることを見逃せません。同時に、どれだけ多くの地域文化が破壊されていったかを知るとき、私たちは、改めて木の家の秀逸性を見直す時期に来ているともいえるのです。
職人の技を生かしながら、地域で家をつくる意味
木は、日本人が最も身近で慣れ親しんできた素材。木には衝撃を受け止め、触れていても疲れをやわらげる、温湿度を調整する、自律神経の活動を高め、落ち着きをもたらせ、目にもやさしい…といった効果があり、化学物質で固められたフローリングやビニールクロスにはない、健康的な効用がたくさんあります。
また、木には1本あたり5トンもの炭素固定効果もあり、その木を家づくりに使用することは、森を町に造ることにほかなりません。さらに、木は伐ったあとも呼吸を続け、CO2の削減にも効果を発揮。廃棄時にも土に還るなど、まさに人にも自然にも負荷をかけない理想の素材といえるわけです。
人間も自然の一部として考えれば、木の家に住むことこそ、自然の営みそのものということもできます。